Secret Romance*
「ねぇ!新田!痛い…痛いよ!」
私の声になんて耳を貸しているのかも不明な新田は、ツカツカと私の腕を掴んで歩き続ける…。
行き先なんて告げられてないから分かる訳がない。
私はただ新田につられて歩くのがやっとだった。
「…新田!」
「うるさいよ、玉木ちゃん」
何度も叫ぶ名前に、とうとう返事が返って来た。
でも…冷たく発せられるその一言からは恐怖を感じる。
――…怖い
何にも変えられないような感情が胸の中で渦をまく。
やがて…
白い建物の前に辿り着いた。
「こ…こ?」
戸惑う私をよそに新田は躊躇することなくそこに足を踏み入れる。
「…新田!?」
足を止めることで表した私の抵抗は、あっという間に解される。
「うひゃ!」
新田は私を横抱きにすると、建物内に入った。
ちょっ…ちょっと…
待ってよ…
私たちが辿り着いたのは、場には不釣り合いの白くそびえ立った…
―――ラブホテルだ。