世界一長いラブレター
その時から僕は君の事ばかり考えていた。
人の声も車の騒音も風の音さえ感じない。
君で頭がいっぱいだった
あ、そうだ。店行くんだっけ。
──カランコロン
「久しぶりっ」
「おー遊汰!久しぶり」
僕はカウンターに座る
「いつものだろ?」
「おう」
僕は彼からジントニックを受け取ると一口飲んで煙草に火をつけた。
彼女の事を思い出す。
「最近どーよ?」
彼の言葉も耳に入らない。僕の頭は"もう一度彼女に会いたい"
それだけだった。
──カランコロン
「いらっしゃいませ」
僕の後ろから甘い香水の香りがした。そして後ろを振り返ると君が居たんだ。
「いつもの!」
「はい」
彼女は僕の隣に座って酒を注文した。
僕と同じ、いつもの、ジントニック。
「あのー、」
「はい?」
僕はおもいきって声をかけた。