紺碧の地図

ガシャァアン!! と凄まじい音を立て、木材が落下し、足元を揺らした。


「アルザ様っ!!」


血相を変えて、ロイが崩れ落ちた木材のもとへと駆け寄る。


そして、すぐに木材を動かし始めた。


「アルザ様!アルザ…」


「…大丈夫、無事だよ」


木材の山の後ろから現れたのは、アルザを抱えた―――ゼン。


ゼンはゆっくりとアルザを降ろすと、擦り切れて血が滲み出た頬を拭った。


「ああ、アルザ様!ご無事でっ…」


「うるさい」


顔をほころばせ、近寄って来たロイが伸ばした腕を、アルザがパシ、と払いのけた。


あからさまにショックを受けているロイを無視し、アルザはゼンをじっと見上げた。


「…何」


相変わらずのぶっきらぼうな口調で、ゼンがそう言うと、アルザは口を開いた。


「助けてもらい、礼を言う。貴様、名は?」


「………ゼン」


アルザの偉そうな態度に、ゼンが顔をしかめながらも答えた。



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