紺碧の地図
王宮の中が見たかったわけじゃない。
胸の奥に引っかかる何かが、ゼンについてけって言ったの。
これはただの私のわがまま。
…でも、ゼンが言ってくれた言葉が、素直に嬉しかった。
私はアルザに向き直ると、ゆっくりと頭を下げた。
「…お願い、します」
厚かましいなんて、わかってる。
私は唇をぎゅっと噛みしめながら、返事を待った。
「…仕方ない。特別だぞ」
やがて聞こえた小さな声に、私は勢いよく顔を上げた。
「え…」
「言っておくが、ゼンの頼みだからだぞ」
ふん、と鼻を鳴らして私から顔を背けるアルザ。
そんな態度も気にならないくらい、私の心を安堵感が包む。
「ありがとうっ…」
満面の笑みを浮かべる私を見て、アルザは悔しそうに舌打ちをした。
何でアルザの態度が、私に対して厳しいのか。
その理由は何となくわかるのに…何でだろう。
認めたく、なかった。