紺碧の地図

「~いいか!わたしは、ロイに迷惑をかけたくなかったんだっ」


「え、」


「仕方なく護衛されてる立場にもなってみろ!気を遣うんだぞ!?」


「ア、アルザ様?」


「結局、迷惑をかける作戦に変更したけどな!」


アルザは一気にまくし立てると、乱れた呼吸を整えながら、再度口を開いた。


「…必要と、していた」


その声が震えていることに、その場にいた誰もが気づいた。


「わたしには…ロイが必要だった…!だからっ…だから余計に、仕方なく護られるなんか嫌だったんだ」


アルザの本音が、涙と共に零れ落ちる。


「ありがとうと…言いたいのに、言えなくてっ、」


「…もういいです」


「へ、」


アルザの言葉を遮ると、ロイの両手が、アルザの頬を引っ張った。


「ふぁ!? にゃにをするっ!!」


「アルザ様」


怒ったようなロイの声音に、アルザが口をつぐんだ。



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