紺碧の地図

燃えてる。


あの日と、同じように―――…


「―――っ…」


「…ララ!?」


膝を折り、頭を抱え込む私に、ニーナが驚きの声を上げた。


「…ララちゃん」


近くにレキがしゃがみこんで、私の顔を覗いた。


私はレキの瞳を見てから、小刻みに首を振る。



私の気持ちを察したのか、レキはスッと静かに立ち上がると、声を張り上げた。


「リジェ!ゼンは何て!?」


リジェと呼ばれたのは、ゼンから連絡を受け取り、フォーグが燃えていることを伝えた男の人。


短く揃えられた髪を持つリジェは、困惑の表情を浮かべた。


「それがっ…、俺が何とかするから、お前らは待機してろ、って」


すぐ隣にいたレキの拳が、握りしめられたのがわかった。


「…んのやろ…、勝手なこと言いやがって」


レキがニーナの方を向くと、ニーナはため息をついて、頷いた。



< 91 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop