紺碧の地図
「…仕方ないわね。ゼン一人だけってのも、ね」
ニーナは肩をすくめ、「全く、呆れた船長だわ」と付け加えた。
ニーナの言葉を聞くなり、レキは楽しそうに笑った。
「…よし、決定。おいお前ら!船長の手伝いに行くぞ!!」
その呼びかけに、待ってましたと言わんばかりの歓声が、辺りに響く。
ぞろぞろと、船員たちが船を駆け降りていく様子を、私は虚ろな瞳で見ていた。
「…ララちゃんは、船で待ってていいから」
頭の上に、レキの手のひらが優しく添えられた。
「ニーナ、ララちゃんを頼む」
「ん、了解」
ニーナの返事を聞くとすぐに、レキは船から飛び降りた。
私はふらふらと立ち上がり、レキを追いかけようと歩き出す。
―――すると。
「ララ、どこ行く気?」
ニーナに腕を掴まれ、私は振り返った。
「…私も行く」
「何言ってるの」