紺碧の地図
か細い声で答えた私に、ニーナはきっぱりとダメ出しをした。
「そんな身体で行ったって、邪魔になるだけよ」
「…でも」
「でもじゃないの。あんたは人の心配する前に、自分の心配しなさい」
私の腕を掴むニーナの手に、力がこもる。
…本気で心配してくれていることが、その温もりから伝わってきた。
みんな、優しすぎるよ。
―――だから。
だから、みんなを優先したくなるの。
私だけ、何かを貰ってばかりじゃ嫌だから。
「ニーナ、お願い」
ニーナの瞳を真っ直ぐ捉え、私は言った。
「私も…Queen号の一員だから」
返ってきたのは、ため息と…呆れたような笑顔。
「あーあ。どうしてこう、問題児が多いのかしら」
「う。…ごめん」
「いーのよ。もう慣れてるしね。…さ、行くわよ!」
「うんっ!」
私とニーナは、船を降りると、炎に向かって駆け出した。