紺碧の地図

水をかける作業を、手伝うか?


…いや、そんな少量の水じゃ、無理だ。



この街の人間に任せて、船に戻るか?


…いや、見てみぬふりなんか出来ない。



―――なら、どうする?



下手に動けない自分に嫌気がさし、俺は小さく舌打ちをする。


冷静になれ、冷静に―――…



「ゼ―――ン!!」



遠くから聞こえた声に、俺は素早く反応した。


振り返った先にいたのは、


「…レキ」


何故か楽しそうなレキと、大勢の船員たち。


レキは駆け足で俺の目の前に止まると、街を襲う大きな炎を眺めた。


「…っかー…。でけぇな…」


「…感心してる場合じゃない。待機って言っただろ」


俺のため息に、レキはこの場にそぐなわない笑顔を返してきた。


「まーまー、何の為の仲間だよ!ちゃっちゃと片付けようぜ♪」


…全く、こいつは。



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