紺碧の地図

「ゼン、どうするの?」


炎へと視線を向け、眉をひそめながら、ニーナが俺に訊ねた。


「………」


何も言えず、俺は黙り込む。


その場にいた全員が、俺の指示を待っていた。



―――たった一人を、除いて。



「すみません、バケツ余ってませんか?」


「そこにあるよ!あんたも早く手伝っておくれ!」


「ありがとうございます!」


視界の端で捉えた、その光景。


忙しなく動く人を引き止め、ララはバケツを貰っていた。


そのバケツを持つと、俺たちを振り返った。


「みんな、どうしたの!?」


どうしたの、って…


「…あんた、もしかしてそれで炎消すつもり?」


俺の問いかけに、ララは力いっぱい頷いた。


「みんなでやれば、消えるよ」


「…どこにそんな自信…」


「もーっ、やってみなきゃわかんないじゃないっ!」



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