しょうがい
「それにしても久しぶりだな。学校はどうだい。楽しい?」

「うーん、まあまあかな。いや、そんなことよりさ」

彼はいきなり慌てた様子になり、僕の肩を握ってきた。

「どうしたんだい?」

彼が何で慌てているのか僕には分からない。だが、僕はそんな彼の慌てように動揺し、なんだか急に心配になってきた。

「え、どうしたんだいって……。今更だけど、そもそも橋本は何でこんなところにいるんだ?病院に行かなくてもいいのか?」

「病院?何で僕が病院に行くんだ」

僕は彼の発言に首を傾げた。

「おい、ちょっと待てよ。もしかして知らないのか」

「はぁ?」

そんな僕を見兼ねてか、彼は「ちょっと来い」と言って、僕をコンビニの外へ連れ出した。僕は漫画雑誌を元あった場所にきちんと置いた。

「なぁ、どういうことなのか説明してくれよ。わざわざ外にまで連れ出して」

僕はその焦れったい彼の様に、少しだけ憤りを感じながら言った。

「どうやら本当に何も知らないらしいな」と彼は言い、僕の目を見据えた。「一度家には帰ってみたのか、誰もいなかっただろう」

「ああ、でもたまにはいないこともある」

僕は適当に相槌を打った。

それに対し、北沢は溜め息混じりに言った。

「病院にいるんだよ、おじさんとおばさんは。おばさん、事故に遭って病院に担ぎこまれたんだ」
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