魔王に忠義を
さて。

仕事が入った以上のんびりとはしていられない。

早速俺は行動に移る。

…聞くところによると、ナハトはプロジェクトの一環として世界中を回っているという。

産業国家であるドーラは、自然との共存共栄というやり方を知らない。

その為に他の地域を巡り、それぞれの国家のやり方、その見聞を広めようというのだろう。

全くもって自覚のないお嬢様だ。

自分が貴族、そして今や世界中から注目を浴びている要人であるという認識が足りていない。

護衛として『火の玉』アキラ・ウェズリーを連れてはいるようだが…。

それでも認識が甘い。

世界は広いのだ。

たとえ竜種を仕留められる狩猟者がついていても、防げない襲撃者というものも存在する。

これからそれを教えてやろう。



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