魔王に忠義を
ドーラを出るとすぐに赤茶けた山が聳え立っているのが見える。
『死霊の山』
近隣の者達にそう呼ばれている亜人種ドワーフの棲家だ。
人間とは比べ物にならないほどの腕力を持ち、集団で地下に集落を作って生活する魔物の一種。
非常に警戒心が強く、死霊の山を通る際には必ずといっていいほど、彼らドワーフの『関所』を突破する必要がある。
ドーラから外へと出るには、死霊の山を通る以外のルートは存在しないとさえ言われる。
その霞がかった山を登る。
幸い然程急勾配ではなく、登山の為の装備を整えていなくても踏み入る事ができる。
後は。
「……」
俺は周辺をつかず離れずで追って来る気配に気づかないふりをしていた。
仕掛けて来ないのならば構う必要はない。
このまま黙して山を通り抜けるのも手だった。
しかし。
「待て」
『死霊の山』
近隣の者達にそう呼ばれている亜人種ドワーフの棲家だ。
人間とは比べ物にならないほどの腕力を持ち、集団で地下に集落を作って生活する魔物の一種。
非常に警戒心が強く、死霊の山を通る際には必ずといっていいほど、彼らドワーフの『関所』を突破する必要がある。
ドーラから外へと出るには、死霊の山を通る以外のルートは存在しないとさえ言われる。
その霞がかった山を登る。
幸い然程急勾配ではなく、登山の為の装備を整えていなくても踏み入る事ができる。
後は。
「……」
俺は周辺をつかず離れずで追って来る気配に気づかないふりをしていた。
仕掛けて来ないのならば構う必要はない。
このまま黙して山を通り抜けるのも手だった。
しかし。
「待て」