魔王に忠義を
慌てた動きを見せるハニワ。

「わかりましたわかりました…全く…無愛想なようでいて短気…ドーラとファイアルの血をうまく受け継いでいますよ、貴方は」

「ああ…忌むべき血だ」

俺は得物から手を放した。

「オホン…では貴方への仕事を話しましょうか…秘密結社Ⅵ番、ヴァン・アルナーク」

わざとらしい咳払いと共にハニワが言った。

「ドーラを待ち合わせに選んだのは偶然ではないんですよ…情報収集がしやすいと思いましてね」

ハニワに視線を送り、先を促す。

「汚竜…あれは実に脅威的な存在でした。もしあのまま誰にも手が付けられなければ、ドーラ国外にも何らかの動きがあったでしょうね。それほどまでにあの竜種は危険な存在だった…ドーラが滅亡の危機にさらされるという事は、他国もまた然りという事です」

確かに。

ナハト・リアリーが他の地域に助けを求めたのは正解だったと言える。

兵器が通じないとなると、肉体的にも魔法にも優れた素質を持たないドーラ人には手に余るだろう。



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