魔王に忠義を
アキラに続き、俺もブレードを振り下ろす!

凶暴なエンジン音と共に魔王の腕、その皮膚を引き裂くチェーンソー。

こちらも飛び散る鮮血を外套で防ぐ。

と、その返り血を浴びた外套が突然発火!

「!!」

俺は素早く外套を脱ぎ捨てた。

驚いた…魔王の血は触れるものを燃やすのか。

そして人間が浴びれば人でなき者と化す。

どこまで始末に負えない存在なのだ、魔王という奴は…!

それでも俺とアキラは得物を振るい、魔王に斬撃を見舞い続ける。

「竜滅砲…!」

ナハトが何事か呟いた瞬間、地面から巨大な土人形が姿を現した。

ドーラ貴族の土魔法、ゴーレム。

そのゴーレムの携えた、人間から見れば大砲のような火器が火を噴く!

「発射…!」

その名の通り竜種すら滅ぼすであろう轟砲が魔王に直撃する!

激しい爆発と共に、魔王の腕は炎に包まれた。

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