心 ―ハジマリノウタ―




レイはリヴィアの言葉を聴いて

耳まで赤くしたが、

リオの名を聞いて

その表情は明らかに曇った。


リヴィアもそのことに気がついたようだ。




「レイ、ずっと気になってたんだけど、

リオに何かあったの?

始めの頃はよく見舞いにも来てくれたけど

最近じゃ全く見かけない。

今、リオは何処に?」




レイは俯いて、

考えて込んでいる様子のまま

口を開いた。




「リオは…

今特別任務についているらしい。

俺が任務で行ってきた

もう一つの方のアジトにいたよ」




それだけ言うと、

まるで逃げるかのように

レイは別れを告げて

去って行った。


しかし、その表情には

隠し切れないほどの不安が

現れていた。


もう一つのアジトに居た、

ということは、

リオに会うことができたのだろうか?


リオに一体何があったのだろう…。




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