心 ―ハジマリノウタ―



一瞬ポカンとした表情で

私たちは顔を見合わせると、

慌ててリヴィアの後を追った。


部屋に着くと、

リヴィアはすぐに扉を閉めた。


真剣な眼差しで、

エメラルドの瞳が蝋燭の光に煌いている。



適当に腰を下ろすと、

リヴィアは口を開いた。




「アンタは今、疑われている。

何故だか、分かる?」




ジッと私を見つめてリヴィアは返答を待っていた。


レイは、じっとただ私を見つめている。


私は、その視線から逃げることもなく、

正面から受け止めることもしなかった。




「辻褄が、合いすぎているから…」




「成る程ね。

アンタ、それ自分でどう思うの?」




自分で、思う。


それは、自分で自分のことを

どう思っているのか、ということ。


リヴィアは、疑われている私の意見を、

未だ尋ねてくれているのだ。




「仕方がない、と。

そう思います。

ドレイ工場から来た、ということもあります。

それに、リヴィアさんにも叱られた様に、

此処に来たばかりの時、私は己のために生きていました。

だから、疑われても、仕方がないと思います」




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