心 ―ハジマリノウタ―
「ごめんなさい。
言ってはいけないことを言ったのは、
私の方だったわ…。
貴方が心亡き者になって、
奴隷として働かされていた事の責任は、
私たちにあるのに。
本当にごめんなさい」
カトレアは静かに頭を下げた。
私は首を振った。
謝る必要はどこにもなかった。
ただ、私は…。
「確かに、私達は心を捨てることは
できないでしょう。
でもね、心を持った者にしかできない愛しかたも、
守り方もある。
だから、彼を責めないであげて。
そして、受け止めてあげて。
彼が、貴方を受け止めてくれたように」
初めてここに来た日、
彼が抱きしめてくれたように?
歌を歌ってくれ、と言ったように?
私が、彼を?
それが彼のためになるのならば、と
私は、頷く。
するとカトレアは、にっこり笑って、立ち上がった。
「ありがとう、ユア。
さあ、こっちにいらっしゃい!
こうなったら、フェイクを驚かせてやらなくちゃ」