波の音がずっと聞こえてる
男が持っている充電器は、
わたしのケータイにつながった。
ありがとう、
知らない男に対して、
いままででいちばん
素直な声を出せた。
充電しているあいだ、
男は話し出す。
どうやら自分がどのような人間なのか
わたしに伝えたいらしい。
男の声は耳まで届いているけれど、
言葉の意味がよくわからない。
おしゃべりな男は、
あまり好きじゃない。
でも、そのことは口に出さない。
男には感謝しているから。
わたしのまわりに、
粘液がまとわりついているようだった。
どんどん眠くなっていく。
視界がせまくなっていく。
路肩に止めた車。
赤い車。
そのすぐ横、
車道をトラックが走っている。
何台もの車が通り過ぎる、
風の音を聞きながら、
わたしは眠ってしまう。
そのとき、
海の夢を、
見ただろうか。
覚えていない。
わたしのケータイにつながった。
ありがとう、
知らない男に対して、
いままででいちばん
素直な声を出せた。
充電しているあいだ、
男は話し出す。
どうやら自分がどのような人間なのか
わたしに伝えたいらしい。
男の声は耳まで届いているけれど、
言葉の意味がよくわからない。
おしゃべりな男は、
あまり好きじゃない。
でも、そのことは口に出さない。
男には感謝しているから。
わたしのまわりに、
粘液がまとわりついているようだった。
どんどん眠くなっていく。
視界がせまくなっていく。
路肩に止めた車。
赤い車。
そのすぐ横、
車道をトラックが走っている。
何台もの車が通り過ぎる、
風の音を聞きながら、
わたしは眠ってしまう。
そのとき、
海の夢を、
見ただろうか。
覚えていない。