♯゜+姫+゜♯









百合はまだ寝ている。



熱もひいていない。



「残念だけど撮影行かせられねぇな。」





俺は百合の額に貼ってある冷えピタをはずし、新しいのに付け替えた。




「んっ……ともくん??」




「百合、おはよう。大丈夫か?今日は撮影休めよ。」




「嫌だ。」




「嫌って、お前熱あるのに行くのかよ。」




「ん??熱??」




あっ、そうか。



知らない間に熱でてるんだもんな…




「百合、服濡れてたけど、どうして。」





百合は黙った。





絶対吐かせるし。





「ゆーり。」





次第に百合の目には涙が溜まってきた。




「百合??」





とうとう百合は泣いてしまった。




「百合、別に俺怒ってないよ。どうしたのかなって心配してるだけだよ。」





.
< 85 / 128 >

この作品をシェア

pagetop