好き?


私はここ数日、ずっと泣いていた。
李亜と、さとしさんが付き合ったという事実を知ってから、ずっと。

しかし学校できずかれるわけにも行かず、家で声を殺して泣いていた。

ないちゃだめなのに。泣きたくないのに。

思い出してしまう。
二人が楽しそうにしゃべっているとこ。
想像してしまう。
さとしさんが李亜に笑いかけているのを。

それを考えると、涙が止まらない。
人の前で、泣きたくないのに。

私の涙、止まってよ・・・!



「・・・そんなふうになかなくても、もっと声をあげて泣いてもいいよ」



そんな私に、光は優しい言葉をかけた。



「・・・」

「俺の胸を貸してやるからさ!」

「っふ・・・なに・・・それ・・・」



おかしなことをいう光に私は笑ったが、やっぱり涙は止まらなかった。

笑いながらも、涙がでる。

泣いていい。

そんなことを言われたら、私・・・



「うわぁぁあ~!」



目から大粒の涙があふれ出る。


とられたくなかった。
さとしさんを。
いつかまた付き合える時がくるって、勝手に思っていた。

李亜も、ずっと親友だと思っていた。
まさか、李亜とさとしさんが付き合うなんて、夢にも思わなかった。

これが、私への罰なのかもしれない。


さとしさんに、ずっとわがままいってきたこと。
李亜に、隠し事していたこと。

その罪の罰が、これか。



ごめんなさい。
もうそんなことはしません。
時間を戻してください。



叶わないとわかっていながら、私は神様に祈った。






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