幼かったあの頃
「ほら、ちゃんと謝って!!」

紗枝が言った。

「えっと…今日はボールを思いっきり当ててしまってごめんなさい!!」

珍しく淳がちゃんと謝ってきた。

「別にいいよ。避けなかった私も悪いし。」

「だよな。まさか顔面に当たるなんて思わなか…」

ベシッ

紗枝が淳の背中を思いっきり叩いた。

「痛っ、お前何すんだよ。この馬鹿力が!!」

「珍しくちゃんと謝ったと思ったら、淳が余計なことまで言うからでしょ!?」

「何だよ、余計なことって!?」

「あぁ〜もういい!!こんな奴ほっとく!!で、七海大丈夫だった!?」

「うん。大したことないよ。」

「よかったぁ。」

「ってか顔面って…どんだけボーッとしてたんだよ(笑)」

「なっ、別にボーッとしてたわけじゃ…」

「してたじゃん、ボーッと。(笑)」

ベシッ

またもや紗枝が背中を思いっきり叩いた。

「たっくんまでそんなこと言わないの!!」

「マジいて〜!!紗枝、手加減しろよ。」

「本っ当に淳もたっくんも…」

「まぁまぁ、私は大丈夫だから。ねっ、紗枝。」

「七海がそう言うなら…」

「ほら早くしないと次の授業に間に合わなくなるよ!!」

そうして何とか過ごし…

帰りの掃除の時間になった。


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