すき、好き、もっとスキ。
「神楽、今日の夜の学習会行く?」
「学習会? あぁ、何でも質問出来るやつ?」
「そうそう」
「行かへんな」
「やっぱり? 俺も面倒だから止めておこうと思ってさー」
ジュースを買ってバスに戻ろうと歩いていた俺の目の前の信じられない光景に、一瞬眩暈がした。
……はぁっ!?
「神楽?」
「ちょっ、わりぃ。先戻ってて!」
柴にジュースを渡すと、真っ直ぐにその場所へと走る。
何で、お前がここにおるねん!!!
「璃ーっ…んぐ!」
声を出す前に口を塞ぐことに成功した俺は、
そのまま引きずるかのようにそこに居たコイツをトイレの裏まで連れて行った。
「ちょ、璃久!?」
口を塞いでいた手を退かしながら、辺りを見回す。
誰も居ない、な。
そう確認した俺は、やっと視線を落とした。
梢に。