すき、好き、もっとスキ。



……はぁ?



視界の端に映ってる梢は、俺なんか見てなくて。

隣のクラスの真山と楽しそうに笑ってる姿やった。



……何やねん、それ。



俺が梢の方を見ても、アイツは俺に気付きもせず。

さっきまでの、痛いくらいに視線を向けてきてた梢とは別人みたいで。

まるで俺の存在なんて忘れてるかのように。


真山を見上げては笑い、怒り、拗ねる。


それは、いつも俺に向けている表情と同じ。



急にでかい声を出して、周りから注目を浴びた梢は、顔を真っ赤にしてペコペコと周りに頭を下げる。

その隣で、めっちゃ楽しそうに笑う真山。


2人の距離はめちゃくちゃ近くて。


たまに真剣な顔をする真山も気になったけど。

それよりも頬を赤く染めて真山を見上げる梢に。



イラッと、した。



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