加納欄の記憶喪失 シリーズ5
 そしてまた、投げ飛ばされた。

 あたしは、2人の先輩達を見て立ち上がり、高遠先輩から借りたコートを脱いだ。


あたしが、1発でも入れられれば・・・。


 大山先輩が、また飛ばされた。

 高遠先輩も、それなりにくらってるけど、大山先輩のあたりは、一撃一撃が凄かった。

 あたしも、加わったけど、孔明師範には、到底叶わなかった。

 突きが全て見切られ、逆に。

「大人しく見ていなさい」

 と、首に1発入れられガクンと、崩れた。

 その様子を見た大山先輩が。

「欄!大丈夫か?っめぇ」

 と、言って、孔明師範に、向かって行った。

 孔明師範は、後ろ向きだったけど、確実に大山先輩が来るのを察知していた。

 案の定孔明師範は、大山先輩を射止めるべく、背面蹴りを入れてきた、瞬時にあたしは、大山先輩より早く孔明師範の背後に立ち、蹴りをモロに食らった。

 あたしは、椅子とかテーブルとかごちゃごちゃの中へ、落ちて行った。

「欄っ!」

 大山先輩が、あたしを助けようとこっちへ来た。

 孔明師範も、まさか、あたしが、割って入るとは思ってなかったらしく、マジ蹴りをしてしまった為に、動きが止まってしまった。

 その隙をついて、高遠先輩が、反撃に出た。

「欄!欄!大丈夫か?」

 あたしは、あまりの苦しさと痛さに顔を歪めた。

「欄・・・死ぬなよ」

 大山先輩は、あたしを救いだし抱き締めてくれた。

「し、死なない、です、よ。殺さ、ないで、下さい」

 そしてあたしは、咳と一緒に、血を吐いた。

「欄!しっかりしろ!欄」

「ちょっと、苦し・・・だけ・・・です・・・か、ら」


肋骨やられたかも・・・。


 息が苦しかった。


 それでも何とか目を開けると、背後に孔明師範が立っていた。

 高遠先輩は、やられたらしい。

「大山、先輩!に、逃げ、て・・・」

 言い終わらないうちに、孔明師範が、大山先輩に蹴りを入れた。

「欄に触れていいのは、私だけだ!どけ!」

 孔明師範が、今までに見たことのない形相で、大山先輩に、蹴りを入れ続けた。

 それでも大山先輩は、あたしを庇って、孔明師範の蹴りを受け続けた。

「やめて・・・孔明師範やめて!大山先輩、死んじゃう!」

< 45 / 50 >

この作品をシェア

pagetop