無色多彩

第１章

よく晴れた空。

その空は、雲一つ無くて…誰もが写真を撮りたくなる程に綺麗な空だった。


特に、あたしの席からはよく見える。

教壇に立っている禿げた奴もよく見える。


ふと、黒板を目にやると日直と走り書きしたすぐ下にあたしの名前があった。


日直“管原 流依”。

管原 流依…それがあたしの名前。どこにでも居そうで簡単な名前…。


先生が授業を説明しているのにも関わらず、いつまで経ってもお喋りを辞めない、格好つけた男と意気がっている女子。



一生懸命授業聞いてる奴が可哀相に思えてくる。

次のテストは
高校１年生最後のテスト、学期末だ。


そっかー…もうすぐ２年生になるのか…。


「この問題、管原やってみろー」

ふと、自分の名前を呼ばれ黒板を見てみると…この間…結構前だけど。まぁ難しかった問題がズラリと並んでいた。




「出来ないんで飛ばして下さーい」

「管原ーこの前同じ問題出したが出来ただろーまぁいい…伊藤、やってみろー」



いつもこんな感じで当てられるたら避ける。


だって、黒板の前まで行くのが面倒なんだもの。
それにあんな先生の隣に行くこと事態嫌だしね。