君だけに夢をもう一度

Ｏｈ！クラウディア

「私は正和に会いたいと思ってた」
敦子は、はつきりと言った。

「どうしてだ・・・・・・！？　」
「今の私を見てもらいたいと思ってたの」

「今の君を？　」
確かに昔つきあっていた敦子が、自分と別れて、どのように生きているのか、気になっていた時期もあった。
別に敦子のことが嫌いになって、別れた訳ではなかったからだ。

コンポからサザンの『Ｏｈ！クラウディア　』が流れてきた。


「クラウディアか・・・・・・」
正和が懐かしそうに言った。

「私達の青春の原点だね」
「そうだな」
学生時代に組んでいたバンド名が『クラウディア』だった。

「今、君はどんなことしているの？　」

「どんなことって？　」
敦子が聞きなおした。

「仕事とか、結婚とか・・・・・・？」
「そういう意味ね」

敦子が理解した後、
「私、今、ミュージシャンしているの」
ちらり、正和の顔を見て答えた。

「ミュージシャン・・・・・・！？　」
正和は、敦子が意外な職業についていることに驚きだった。