彼と彼女の方程式
そんな事を考えて、一人で不安になっていると…
「…で、遥。誰か心当たりはある?」
『…えっ……。』
心当たり……って……。
…あたし?
…って、いっ…言えない……。
めんどくさい事になるのが目に見えてあたしは思い切り首を横に振った。
「ふぅ〜ん…。」
『…何、その返事。』
じぃっとあたしを見つめながら口元に手を当て首を傾げる。
「…怪しいなぁ……。」
『なっ、何も怪しい事なんて…』
ない。と、言おうとした時だった。
「遥?」
ビクッ!!
突然聞こえた声に肩が揺れた。
振り返ると、タイミングがいいのか悪いのか湊がドアに手をかけていた。
『―っ…!!湊…。』
「逢澤君!」
あぁ〜。
もう…、タイミング悪すぎっ!!
と、とにかく、突っ込まれる前に帰らなきゃ…。
「逢澤君、なんで?」
ニッコリと笑いながら、あたしと湊を交互に見る。