彼と彼女の方程式
今になって気付くなんて…。
そして今まであんな奴が原因で恋愛が出来なかったと思うと………。
『はぁ…。』
怒りとかもあるけど、なによりもこんなに弱かった自分に呆れた。
「遥?」
『…ん?』
彩那を見上げると、完全に思い出に浸っていたあたしを不思議そうに首を傾げて見ていた。
「溜息。幸せ逃げるよ?」
そんな不吉な事を満面の笑顔で言うのはどうかと思う。
だから
『…もう逃げてるかもね〜。』
と、やる気なさげに遠い目をしてみた。
「いやいや!!嘘、嘘!!逃げないよ!ってかやっと来た幸せだもん。怖くて逃げられないよ!!」
『…って、ちょっと!やっと来たって何よ!!怖いってどういう事?』
「まぁまぁ、神様がもう幸せになりなって言ってんだよ。きっと…」