婆ちゃんの恋物語
長家は、大きな穴が、3つ地面に残っただけで、黒い煤だけになった跡地は、泣き叫ぶように、水道管が破裂して、濡れてたん。

「早く、荷台に乗って。」

巧君が、靖ちゃんの手を引っ張ったから、うちもつられて、走ってたん。
こんなに人が乗って大丈夫なんやろか?
座ってるだけで、ぎゅうぎゅう鮨詰めやってん。
「何処へ行くん?。」

「名塩に行く言うてはったわ。」

「大阪は、焼け野原やて、山に逃げるしか行く場所ないわなあ。」


大阪、焼けた、忘れてたわけちゃうねんけど、
今の現状を頭に入れるのが、せいっぱいで、
自分の家の事をハッと思い出してん。
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