婆ちゃんの恋物語
背中、恥ずかしかったけど、甘えてん。
温かい背中に顔つけて、不安で、いや、現実を知りたくなくて、ポロポロ涙が出てきてたん。
「泣いたらあかんで、皆、学校に居てる言うてたやろ。」
木造校舎の小さな小学校、疎開児童がどんだけ来てるんかと思ったけど、思ったより少ない、30人ぐらい。校庭に入って、うろうろしたら、
「あんたら、何のようかなあ。」
竹槍の訓練を指導してた先生が、いや、先生でなく、軍の指導員やったんちゃうかなあ。軍服着てたから。髭を生やした、煩そうなその人が、うちらの行くてを妨害したん。
「この人の家族が。この学校の南に下ったところに住んでたんですが、土砂崩れで、家が壊れてて、隣りの人に聞いたら、学校で暮らしてる人居る言うんで来てみたんです。」
「何処の家や。」
「高見言います。」
うちは、背負われたまま、小声で言うてん。
で、背中から降りて、その人の顔、余計に、うちの不安と恐怖感を煽ってん
「何処に居てるんですか。」
「高見さんのお爺さんは、講堂で、寝起きしてはる。」
運動場奥の講堂は、木造校舎から、渡り廊下で繋がってる木造の宮大工が建てたらしく、お堂のような感じやってん。
うちら、居ると聞いたら、もう走ってて、教官の言葉、最後まで聞かんかったわ。
五人の人の目が、講堂の扉開けた途端にうちらに向いてた。
「靖子、靖子やなあ。」
座ったまま、声をかけて来たのは、お爺ちゃんやったん。えらく痩せて、うちの知ってるお爺ちゃんより、一回り小さくなった感じやった。
温かい背中に顔つけて、不安で、いや、現実を知りたくなくて、ポロポロ涙が出てきてたん。
「泣いたらあかんで、皆、学校に居てる言うてたやろ。」
木造校舎の小さな小学校、疎開児童がどんだけ来てるんかと思ったけど、思ったより少ない、30人ぐらい。校庭に入って、うろうろしたら、
「あんたら、何のようかなあ。」
竹槍の訓練を指導してた先生が、いや、先生でなく、軍の指導員やったんちゃうかなあ。軍服着てたから。髭を生やした、煩そうなその人が、うちらの行くてを妨害したん。
「この人の家族が。この学校の南に下ったところに住んでたんですが、土砂崩れで、家が壊れてて、隣りの人に聞いたら、学校で暮らしてる人居る言うんで来てみたんです。」
「何処の家や。」
「高見言います。」
うちは、背負われたまま、小声で言うてん。
で、背中から降りて、その人の顔、余計に、うちの不安と恐怖感を煽ってん
「何処に居てるんですか。」
「高見さんのお爺さんは、講堂で、寝起きしてはる。」
運動場奥の講堂は、木造校舎から、渡り廊下で繋がってる木造の宮大工が建てたらしく、お堂のような感じやってん。
うちら、居ると聞いたら、もう走ってて、教官の言葉、最後まで聞かんかったわ。
五人の人の目が、講堂の扉開けた途端にうちらに向いてた。
「靖子、靖子やなあ。」
座ったまま、声をかけて来たのは、お爺ちゃんやったん。えらく痩せて、うちの知ってるお爺ちゃんより、一回り小さくなった感じやった。