婆ちゃんの恋物語
頭の中に、笑ってる三人が居てるのに、

心が壊れるって、あるんやなあ。
なんや、死んでしまいたくなったん。
一人になってもた思たから、お爺ちゃんが居っても、うち、会うの久しぶりで、半分他人みたいな、何か、甘えれないって感覚が、心を壊しかけてたわ。

「靖ちゃん、お寺行って見るか?」

巧君が、うちを引っ張って、山の奥へ連れて行ってくれてた。

歩いていても、宙を歩いてるような。

「靖ちゃん、しっかりしてや、」

支えられて、やっと歩いてる感じやってん。

お寺の山門、焼夷弾が落ちたのか、半焼してた。
墓地のある空き地に、新しい墓標が、並んでた、土をこんもり山にして、その後ろに墓標は、立ってたん。

お父さんとお母さんの間に賢太朗の墓標があってん。

泣くしかないやん。
声を張り上げて泣いたわ。
巧君が、抱きしめてくれてたのに、涙とまらなくて、

「僕が、ずっと傍にいてあげるから、一人きりちゃうんやで、」

巧君って、こんなに大きいんや、大きいと言うより、暖かいんや。
頭が、泣いて廻ってなくて、上手い言葉が出て来うへんけど、巧君が居てくれへんかったら、うち、どないしてたんやろう。
考えただけで、怖いわ。
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