婆ちゃんの恋物語
おばちゃんは、うちに会った時に見せた、ホッとした顔が、血の気を無くした、土色に変わってたん。
聞きたい事あったけど、もう、聞けるような空気は、春風に乗って飛んで行ったみたいやわ。
知ってる人には、手当たり次第に、声をかけて、家族を知らないかと尋ねて廻ったけど。居所が解らぬまま、誠さんと、もう一度、焼けた町に戻って。黙って、家のあった場所を探したん。
「この辺やねんけど、壕、どこやろか。」
家が焼かれても、壕は残ってると思ったから、
二人で炭になった材木をどけながら、
勝手に、涙出て来て、誠さん見たら、歯を食いしばって、涙が頬をつたっててん。
何もなくなったん、
靖ちゃんとお喋りした部屋も、
誠さんが送ってくれた道も、
黒、灰色、茶色しか、目に映らない。
「帰ろ。」
うちの心の糸切れたんかなあ。
必死で捜してる誠さんを、引っ張ってたん。
聞きたい事あったけど、もう、聞けるような空気は、春風に乗って飛んで行ったみたいやわ。
知ってる人には、手当たり次第に、声をかけて、家族を知らないかと尋ねて廻ったけど。居所が解らぬまま、誠さんと、もう一度、焼けた町に戻って。黙って、家のあった場所を探したん。
「この辺やねんけど、壕、どこやろか。」
家が焼かれても、壕は残ってると思ったから、
二人で炭になった材木をどけながら、
勝手に、涙出て来て、誠さん見たら、歯を食いしばって、涙が頬をつたっててん。
何もなくなったん、
靖ちゃんとお喋りした部屋も、
誠さんが送ってくれた道も、
黒、灰色、茶色しか、目に映らない。
「帰ろ。」
うちの心の糸切れたんかなあ。
必死で捜してる誠さんを、引っ張ってたん。