婆ちゃんの恋物語
ドキッとしたんは、手が絡んだ時。誠さんの冷たいはずの手、湯たんぽみたいに、じわりじわり暖かく感じて来たん。

でも、恥ずかしくて下を向いてしまってたん。

「僕、麻ちゃんだけには、嫌われたくないねん。何時か、ちゃんと、麻ちゃんのお母さんに挨拶しに行くから、アッ、麻ちゃんは、嫌かあ?」

うちは首を横に振った。嫌なんて。嬉しいんやけど、どんな顔したらいいんやろ、いやどんな顔してるんやろか?
そんな事考えてたら、寒かった身体が、ホカホカして、耳朶が痛い気がしたわ。


「電話繋がらんわ〜。」
事務所から、大谷さんが、困った顔して出て来て、うちらを見るなり、ほーって上から下まで、見て、

「少尉殿、電話は繋がりません、連絡は明日以降になるもようであります。」
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