婆ちゃんの恋物語
お婆ちゃんは、そう言うて、帰って行ってん。
やっと、家に帰れる喜びより、なんか、寂しさの方が勝ってたんちがうやろか。

「18日の日曜日ぐらいに、帰れるんかなあ。」
「そやなあ。」

「誠さんと大谷さんに言うとかなあかんな。麻ちゃん、言うてなあ。」

二人して、なんや喋る言葉も無くして、事務所に帰って、後片付けを始めてたん。

「家族の人来てたみたいやなあ。」

巧君が、窓から顔を出して声をかけて来たん。

「病院から、家に戻れたから、知らせにきたんよ。」

「お爺さん、退院したん?。」

「寝たきりやけど、一時退院みたい。」

「ほな、二人は、家に帰るんか。」

「家の補修が終わる、今度の日曜日ぐらいに、帰って来てって。」

「4月まで、居ったらええのに。」

巧君の顔が、なんや、沈んだ気がしたん。
靖ちゃん、黙って巧君を見てたん。

「なんで4月って言うん。」

巧君が、作業に戻って行ってから、うちが、靖ちゃんに声かけてん。
うちは、巧君の事、知らん事多かったから、
誠さんの事は、何でも知ってるつもりやけど、
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