婆ちゃんの恋物語
「ごめんなさい、僕が、靖ちゃんに言うてもたから。」

「僕が、報告しいひんかったからや。ごめんな。」

うちが、ポロポロ泣いてもたから、

靖ちゃんまで、べそかいたみたいに、目を潤ませててん。

二人は、オロオロしながら、誠さんは、うちにハンカチを渡してくれたん。

それを見て、巧君、首に巻いてた。手ぬぐいを、靖ちゃんに、几帳面にたとんで、渡してた。

涙拭きながら、誠さんと巧君の間にも、競い合いみたいなんがあるんやろかって思てもた。

戦地に行かへん、此処から通うと聞いてホッとしたら、余計に涙でたんやわ。

「早よ、配らなあかんねん、ごめんやけど、手伝って。」

「大根頼むわ。」


うちらも手伝って、リアカーおしながら、配ってた。




「旨かったなあ、久しぶりの白いご飯は、今度何時食べれるやろなあ。」
「また、芋と大根が続くやろなあ。」

「白いご飯食べれるようになったら、僕は、靖ちゃんを嫁さんに、貰うわ。誠さんは、麻ちゃんをお嫁さんにするんやろ。」

「そのつもりやで、麻ちゃんが、嫌やったら、あかんけどなあ。」
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