あの音が聞きたくて
「リオーン、飴ちゃんあげるよ」

麻衣が差し出した飴を
見るとリオンはすぐに泣き止んだ。

今にも飴を奪いに飛びかかって
きそうである。

「じっとしてたら、飴ちゃんあげるからね!」

と話し掛けても、リオンには
はっきりと聞こえていない。

「ジッとして!」

といいながら、
気をつけの姿勢をして見せる。

すると、リオンもママの真似をして

おとなしくなった。

「そのままでちょっと
待っててね〜」

両手をリオンの目の前に出し
待てのポーズを示した。

リオンは笑って頷いている。

おとなしくしていたら、
ご褒美に飴ちゃんがもらえる。

本能でそのことをわかっているのだろう。

麻衣は、やっとの思いでリオンに
補聴器を取り付けることが出来た。

フ〜っと深いため息をつく。

リオンは嬉しそうに飴をなめ

麻衣に甘えている。
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