あの音が聞きたくて
時計をみると、家に帰ってから
1時間以上が経っていた。

もうこんな時間か、
飲み物でも飲んで一息つこう。

そう思って冷蔵庫の方へ
向かおうとすると、

「ダーダー、ヨ!」

リオンも着いてくる。

「リオン君も?」

普段以上に大きく口をあけ、
口の動きをリオンに
はっきりとわかりやすいようにして
話しかけた。

「アー!」

リオンも負けじと
口を大きくあけ、笑顔で答える。

と、その拍子に舐めていた飴が
床に落ち、それを見てリオンが
再び泣き始めた。

「何しようがよ、アンタは!
馬鹿やないの?」

その光景を見ていた麻衣は、
新しい飴をもう一つリオンにあげ、

笑いながらそういった。
数日ぶりに、麻衣に笑顔が戻った瞬間だった。
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