DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

広いリビングは
昼間だというのに
濃い紫色の分厚いカーテンで
覆われセンスのいい間接照明が
妖しげな雰囲気を
作りだしている

西山はソファーに腰を下ろすと


「脱いで...」


「...ぇ」


「ぇ...じゃなくて
 
 脱げよ...
 俺がちゃんと
 その気になるように」


凍りつくような冷たい視線

乙羽は下をうつむく


「お前...
 
 まさか何も知らずに
 ココへ来たの?」


乙羽は首を横に振る


「じゃぁ、早く脱げよ」


低く、威嚇するように
声のトーンを下げる西山に
乙羽は動けなくなる


「何、オマエ...?

 俺に無理やりしてほしいの?
 そういう趣味?」


「ち、違います..でも...」


バンッ!!

西山がテーブルを蹴飛ばす


「カマトトなら
 他所(ヨソ)でやってくれ
 
 俺、そういうの
 シラけるだけだから」


 西山のイライラが伝わる

 部屋中の空気が
 ピリピリと
 あたしの全神経に
 攻撃してくる


「ゴ..ゴメンナサイ...//
 
 今日は..生理で...」


乙羽が震える声で訴える
すると...


「はぁ?」


西山は首を横に振り
呆れた表情でため息をつくと
より一層、冷ややかな瞳で
乙羽を見つめる


「だから何?」


「//」


「別に俺は
 全然、かまわないけど?
 
 オマエ、DOLLの分際で
 オレに手間かけさせんの?」


そう言うと西山は立ち上がり
乙羽の元へ来る
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