DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
フードをすっぽりと
被ったまま後部座席で
うずくまる乙羽に
柊音は少し不服そうに
「チェ...」
そう呟き車のエンジンをかける
ブォォン・・・
地下駐車場に
低いうなり声が響き渡り
その重音は地面を伝って
乙羽の身体にも響いてくる
車はゆっくりと走り出し
地下駐車場を出ると
さっきまで眺めてた月が
乙羽たちの後を
追いかけてくる
どこ...
行くんだろ...?
乙羽は低い場所から
追いかけてくる月を
眺めている
右へ曲がり
左へ曲がり
信号で止まる
そんなコトを
何度か繰り返しながら
一時間程走っただろうか
車はようやく止まり
柊音がギギギッと
サイドブレーキを引く
「着いたよ
ホラ、おいで」
そう言い柊音が
運転席から手を伸ばす
「...でも」
乙羽は人目を気にして
素直に柊音の手を
取ることができない
「大丈夫...
誰もいないから...」
柊音の言葉に乙羽は
まるで穴から這い出る
野ウサギのように
身を伸ばして慎重に
辺りを警戒する
柊音の言うとおり
外に人影はなくただ
波音だけが静かに響いている
ザザーン...
「うみ♪」
波の音に反応する乙羽
「ぅん。
ほら、行こ!!」
「...でも」
やはり
人目が気になって
素直に柊音の手を
取るコトができない乙羽
すると柊音は
「ココは、事務所が管理してる
プライベートビーチだから大丈夫」
「プライベートビーチ?」
「ぁぁ。」
その言葉にようやく
乙羽が手を伸ばす