DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
ピピッ!
熱は39°を超え
40°に近い...
どうしよう...
「ごめんなさい」
「何で...
森ちゃんが...謝んの...?」
息も荒く辛そうに言う柊音
「だって..昨日...」
「あれは俺が...
行きたかったんだよ...」
「でも...」
「大丈夫...
ちょっと寝てりゃ治る...」
こんな息も荒く
40°もあるのに...
「病院...」
「大丈夫だって...」
そう言い
あたしの頬に触れた
柊音の手は驚くほど熱い
「...じゃ
市販薬ある?」
「ぅ~ん...
こういうのって
すげぇ、久しぶりだから
あってもなぁ...
たぶん期限切れてる」
どうしよう...
あたしじゃ
買いに行けないし...
でも、このままじゃ...
「あたし...
買ってくる」
「は? 何、言って...
いいよ、大丈夫だよ」
「大丈夫...
逃げたりしないから」
「ぇ...」
乙羽の言葉に
俺は一瞬、固まった
「本当にちゃんと...
帰ってくるから...
あたしを信じて...」
そんな風に...
そんなこと...
俺は思わず乙羽を抱き寄せる
「何、言ってんだよ...
逃げるとか...
信じてとか...
意味..分かんねぇ...
一体、いつの時代だよ...
俺が心配してんのは...」
俺はその先の言葉を
飲み込んだ
言えない...
あまりにも自分本位で
その先の言葉は...
言えなかった
「と、とにかく...
大丈夫だから...」
「でも...」
心配そうな表情の乙羽
「じゃ、せめて部屋に連れてって
ここ、冷えるし...」
「ぅん...」
俺なんかよりもずっと
小さな体で必死に俺を
支える乙羽が愛おしくて
思わずベッドにたどり着いたとたん
離したくなくなった
「ぇ...
待って、柊音!!!
ちょ、ヒャァァ...」
柊音共々、一気に
ベッドへ倒れ込むと
乙羽は足をパタパタと
バタつかせている
「ふぅ...
このまま一緒に...
寝てりゃ、治るよ」
俺は乙羽を胸に抱きよせた
「...
冷やさなきゃ...
治んないよ...」
俺の腕の中で
恨めしそうに見つめる乙羽
「ぇ~~~ ヤダ!」
俺はネコのように身体を丸め
乙羽に抱きつく
「明日も仕事でしょ...?
少しでも熱、下げなきゃ...」
確かに...
明日の仕事は穴あけられない
「んんん...」
仕方なく腕を緩め
乙羽を解放すると
「クス...
ちょっと待っててね」
そう言い乙羽は
キッチンへ向かった