DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
柊音から解放された乙羽は
急いでキッチンへ行き
氷枕と氷嚢を準備する
それらをタオルで包み
部屋に戻ってくると
柊音の両脇と太ももの内側に
次々と挟んでいく
「何でこんなトコ?
寒ぃ~よ...」
子供みたいに
駄々をこねる柊音
「チョットだけガマンして...
熱が高いから
下げなきゃ...
本当に...
病院行かなくて平気...?」
「ぅーん...」
柊音はしばらく考えた後
意を決したように
携帯電話を取り出し
飯岡に電話をかける
そして...
柊音からの電話ですぐに
飯岡はナース一人を連れて
柊音のマンションにやって来た
「風邪なんて
珍しいじゃねぇか...」
「...スイマセン」
飯岡の言葉に
肩をすくめ
申し訳なさそうに
布団に顔を沈める柊音
飯岡の連れて来たナースが
慣れた手付きでテキパキと
柊音の腕に点滴を施す
その横で飯岡は
「一本打っときゃ
すぐ治る...」
そう言って
タバコをくわえると
何となく自分を
避けているような
乙羽の姿を端目に
ベランダへ出る
火をつけフゥーと
煙を空へ吐き出し
乙羽の方を見ると
乙羽はそわそわと
落ち着かない様子で
心配そうに柊音を
見つめている
飯岡の視線に
気が付いた乙羽が
飯岡から視線をそらす
乙羽は自分の気持ちを
見透かされるのが怖くて
飯岡をまともに見ることが
できなかった
二人の間に何か
あったと確信しながら
飯岡はタバコの火を消し
部屋の中に入る