DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
「ごちそうさま」
顔の前で手を合わせる柊音
「スゲェ、美味かった
何か体もスゲェー
ポカポカしてきた」
「生姜をね
ちょこっと入れたの」
「ヘェ...」
優しい眼差しで
乙羽を見つめる柊音
ドキン//...
あたしは柊音の
この眼差しが苦手で
すぐに視線を
逸らしてしまう
「せ、せっかく//
温まったから
もぅ少し、眠ったら?」
乙羽は真っ赤になった顔を
見られないよう
柊音から顔を背けるように
食器を下げる
「ぁぁ
そうする」
そんな乙羽を見て柊音は
言われた通りにベッドに
横になり瞼を閉じる
数時間後...
「ぅ..ん...」
寝苦しさで
柊音が目を覚ますと
「大丈夫?」
乙羽が心配そうな表情で
柊音の顔を覗き込む
「お水飲む?」
「ぁぁ...」
すぐ側に用意されていた
ストローのささったコップを
柊音の口の前に
差し出す乙羽
柊音がストローを口にしようと
少し体を動かした瞬間
額に当てられていた
冷たいタオルが
ポロリと落ちる
冷たい...
額から落ちた
タオルを手に取る柊音
「熱...」
「ぇ?」
「熱、まだ高いね」
柊音の首元に
優しく触れる乙羽
「そうか?」
柊音は自分で
触ってみるものの
よく分からない
乙羽が差し出す
体温計で測ると
ピピッ
熱は再び
39°を超えていた
乙羽に薬と水を
飲ませてもらうと
意識を失うように再び
眠りに落ちていく柊音
その後も乙羽は
額のタオルを変えたり
加湿器の調整や部屋の
温度を調節したりと
甲斐甲斐しく
柊音の看病をする
再び柊音が
目を覚ましたのは
夜中の3時...
部屋の電気は消え
ベッドサイドの
小さな灯りがついている
「大丈夫?」
気が付いた乙羽が
すぐに顔をのぞかせる
「森ちゃん...
まだ起きてたの...?
もう...
休んでいいのに...」
「...ぅん
ぁ、お水..飲む...?」
乙羽の差し出す水を
全部飲み干すと乙羽は
「汗...
かいてるから
着替え...」
そう言い乙羽は
着替えのシャツとズボンを
差し出す
「サンキュ...
俺はもぅ、平気だから
森ちゃんも、もぅ...
部屋で休んで...」
ずっと側に付きっきりの
乙羽を気遣う柊音
「...ぅん//
ぁ!
これ、面白いね」
柊音のコトが心配で
側を離れたくない乙羽は
とっさに手元にあった本を取り
少しでも部屋に留まる口実を作る
「ぁぁ、それ...
面白いだろ?
その刑事モン...」
「ぅ、ぅん」
「クク...」
噴出すように笑う柊音
「?」
「それ...
メッチャ格闘技」
「...//
まだ、最初の方しか
読んでないから...」
「最初から
格闘技なんだけど」
「///」
「クス...
本当に...
俺はもう大丈夫だから
部屋で休んで...」
優しく乙羽の頭に
ポンと手を乗せる柊音
「...//
じゃ、柊音が寝たら
部屋に戻る...」
そう言って
柊音の布団を綺麗に
掛け直す乙羽
「分かった
約束な...
俺が寝たら森ちゃんも
ちゃんと自分の部屋で
休めよ...
じゃなきゃ今度は
森ちゃんが
ぶっ倒れちまう」
そう言い柊音は
再び眠りに落ちていく
明け方...
柊音が目を覚ますと
外はうっすらと
明るくなり始めている
ベッドサイドの灯りの元に
乙羽の姿はない
部屋に戻った..んだ...
柊音が上体を起こすと
ポトッ...
額からタオルが落ちる
冷たい...
そのタオルはまだ冷たく
側にある洗面器には
まだ氷も残っている
乙羽の姿を探す柊音
柊音の足元...
うずくまるように
眠る乙羽を見つける
一晩中...
タオルを代えて
くれてたのか...
柊音は自分の額を触り
熱を確認する
熱はもう、すっかり
下がっていた
今までに感じた事のない
胸いっぱいの愛しさに
柊音はベッドから出て
乙羽を抱き上げる