DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

「おつかれ~す」


先に入っている共演者や
スタッフの人たちに
声をかけながら
撮影所の中に入る柊音

スタッフがすぐに駆け寄り
今日の撮影の
スケジュールを説明する


「...以上になります」


「ありがとうございます」


柊音の体調を
考慮した飯岡がスケジュールを
調整してくれたようで
予定よりも随分、早く
帰れるように
手配してくれていた


撮影はすぐに始まり
いくつかのシーンを撮り終え
監督からOKの声が上がると
柊音はすぐに衣装を脱ぎながら
控え室えと戻る



コン、コン、コン


柊音が着替えていると
控え室のドアを誰かが
ノックする


「はい」


柊音が返事をすると
ドアが開き共演者の
大森美奈美が顔を出す


「柊音さん
 お疲れサマです♪
 
 これから竹内さん達と
 一緒に食事に行くんですけど
 柊音サンも一緒にどうですか?」


今度のドラマのヒロイン役
大森 美奈美

彼女の武器である
大きな瞳をランランに輝かせ
柊音を食事に誘う


「ぁぁ、悪りぃ...
 
 俺、今日は
 病み上がりだから...
 帰って大人しく寝ます」


「風邪..ですか?」


「ぁぁ...」


「美奈美、サムゲタン作るの
 上手いんですよ~

 風邪の時は
 生姜をたっぷり効かせて

 あたし
 作りに行きましょうか?」


「ぁ..や..いい...

 母親が来るから...」


「わざわざ
 お母様を呼ばなくても
 美奈美が作ってあげますよ」


「や、いいよ...
 みんなと食事に行くんでしょう?」


「美奈美は別に行かなくても...」


「竹中サン達に
 ヨロシク言ってて...」


大森の誘いをかわし
柊音は帰りを急ぐ


「チッ...」


舌打ちを鳴らす
大森美奈美


「さすが、トップアイドル
 相沢柊音...

 今をときめく
 大森 美奈美の誘いを
 簡単に断るとは....」


同じく共演者の
福原信二が大森に囁く


「...ヤ、ヤダ~
 福原さんたら...
 
 柊音さん、今日は
 病み上がりなんで
 仕方ないですよ~」


言葉とは裏腹に大森は
少し不機嫌そうな態度で
楽屋へ戻っていく
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