DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

男との揉み合いで
服がボロボロに
破けてしまった乙羽に
桜木は自分のジャケットを脱ぎ
羽織らせる


「...ぇ

 い、いいです
 汚れちゃうから...」


「いいから...
 着てて...//」


「...//

 ぁ..じゃ、部屋から
 自分の...」


「警察が来るまで
 むやみに
 動かない方がいい」


そう言い桜木は
半ば強引に
乙羽にジャケットを羽織らせる


「...
 ぁりがとう//」


小柄な乙羽は
桜木のジャケットに
すっぽりと包まれて
その姿になぜかぎゅっと
胸を締め付けられる桜木


「...血が出てる」


そう言い桜木が
自分の来てるTシャツの裾を
乙羽の額に押し当てると


「だ、大丈夫..です...//」


慌てて乙羽は
自分の手で額を抑える


「いいから...
 じっとしてて...」


「でも...//
 桜木さんの服が...」


桜木の真っ白なTシャツを
汚すのが申し訳なくて
乙羽は手で傷口を押さえている

桜木はその手を取り


「シャツくらい...//」


そう言い
躊躇うことなく
乙羽の傷口を押さえる


傷口はドクン、ドクン、と脈打ち
桜木の真っ白なシャツを
あっという間に赤く染める

朦朧とする意識の中
柊音とは違う香水の香りに

眩暈がする...


桜木は乙羽を抱えるように
部屋の隅に座らせると
右手で乙羽の
傷口を抑えたまま
左手で
自分の携帯を
操作し飯岡を呼び出す


「ぁぁ..飯岡さん...

 夜分遅くにスイマセン
 桜木ですけど

 ちょっと...
 問題が起こって...

 今、柊音ん家に
 いるんだけど...」


真夜中だというのに飯岡は
桜木からの電話に
すぐに、かけつけた

いつもはキッチリとスーツを
着こなしている飯岡も
真夜中ともなれば
黒いジャージに
ダウンジャケットを着込み

いつも嫌味に流れてる
黒髪も今日は
自然な感じで降りている

それでも変らないのは
こんな真夜中でも
まるで表情の読めない
サングラスをかけてるという事

足元に散乱する物を
避けながら部屋に
入って来た飯岡は
桜木の血の付いたシャツに驚く


「どこか怪我したのか?」


「ぃや、俺じゃなくて
 森園さんが...」


桜木は飯岡に事情を
説明しながら再び
興奮を増していく


「...分かった」


桜木から説明を受けた飯岡は
桜木の肩をポンポンと軽くたたき
落ち着くよう促す


飯岡が携帯を取り出し
どこかへ電話をかける
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