DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
いつか来た病院で
診察を受ける乙羽
飯岡は相変わらず
喫煙場所でイライラと
煙草をふかしている
いつかと同じ医師が
乙羽の傷を診て驚く
「どうしたの?」
「ちょっと...
ぶつけちゃって...」
乙羽の言葉に医師は
やれやれといった様子で
ため息を吐きながら
首を横に振る
「どうやってぶつけたの?
こんなとこ」
「...転んで」
「体操選手か何か?」
「ぇ?」
「こんなとこ
回転でもしない限り
ぶつけるのは難しいし
それに何度も
同じ所をぶつけてる」
何も言えず乙羽がうつむくと
ガチャ...
前回と同様
診察室のドアが開き
飯岡がつかつかと
入ってきた
医師も今回は驚く事なく
冷静に飯岡に訊ねる
「この傷
どうされたんですか?」
「この病院はイチイチ
どうやって怪我をしたのか
説明しないといけないの?」
「ぇぇ、差支えなければ」
「差支え、大有りですね」
「なぜです?
あなたが怪我を
させたからですか?」
医師はきっと...
あたしが飯岡から
ひどい暴力を受けてると
思ってる...
「転んで怪我したのと
殴られて怪我したのとでは
治療方法は変わらなくとも
対処法が違います」
「アンタには関係ない...
医者なら、怪我の治療をしろ」
飯岡は脅すように
声を低く落とす
そんな言い方したら...
余計、誤解されちゃう
だけなのに...
「私たち医者は
患者を守る義務と共に
報告の義務がある
DVを受けてるかもしれない
彼女をこれ以上
放ってはおけない」
「前にも言ったはずだ
彼女には彼女の
事情があると...
医者ごときが偉そうに
正義を振りかざし
他人の人生に
踏み込んでもいいのか?
もういい...
他を当たる...」
飯岡が乙羽の腕を引き
診察室を出ようとした瞬間
乙羽は飯岡の腕を振り払い
医師の元に走り寄る