残酷なラブソング


「やっぱ変だよね。」


「ごめんね!驚きすぎちゃった!」


君島さんはあたふたしながら

私に謝った。


「そんなっ!

驚いて当たり前だよ・・・。」


「美桜ちゃん・・・・。」




初恋がまだなんて。

彼氏もまだなんて。


そりゃびっくりもするよ。



「君島さんは?」


ひどく気にした様子の君島さんに

今度は話を振ってみる。


君島さんは、

いいのかなって感じに

目を合わせてきた。



小さく頷いてみる。



すると、目を細めて優しい笑顔になった。


「今ね、3年目になる彼氏と

同棲中なんだ・・・っ!」


顔を真っ赤にさせて。


君島さんは

花がパッと咲いたような、

そんな素敵な笑顔をみせた。





君島さんは、

なにかとトラブルメーカーだった。



というのも、

女子大生にもなって

君島さんの取り合いで

友人同士がもめるのだ。




面倒臭そうだねって

愛未と傍観してたけど・・・・





分かる気がする。



この人なら、分かる気がする。




そりゃ一人占めしたくもなるわ。


なんて魅力の持ち主なんだろう。




謙虚な癒し系美人。


例えるならば、

こじんまりとした東京郊外の

オシャレなカフェといった感じ。



誰にも教えたくない

自分だけの秘密の癒しの場所



独占欲を煽る要素だらけ。




ヘヘッと笑ってアイスコーヒーを

握りしめた君島さんのえくぼが


色白の肌に影を落としていた。




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