犬神さまのお嫁さま
 その瞬間、教室が水を打ったように静まり返る。

 しばしの間をおいて美沙都が菜穂にこそっと耳打ちした。



 「ねー菜穂。『孕む』って何?」

 「「腹」を動詞化した言葉。胎内に子を宿す。みごもる。 出典、三省堂。まぁ有り体に言えば『俺の子を妊娠しろ』って事ね」


 「ぶふぅううぅーーーー!」

 「えぇぇぇえええぇぇぇーーーーー!」



 口の中に残ったままだったビックルが口から噴き出る。

 勿論それは私の前の席だった木内君の後頭部に直撃した。

 うわ、申し訳ない!と思ったが私はあまりの事に驚くとマンガみたいに噴き出すんだと思って現実逃避した。ホントごめん、木内君。
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