走り出せ、コスモス*


少しずつ目を開けて、先生の方に視線を移した

すると 突然目の前が真っ暗になって

先生の手が 私の目をふさいでた



「…っ 変態…!」

絞り出すような甘い声


その声に反応して、ドキドキが速くなる

「せんせ」

「あぁーもうしゃべんないで!」

先生の顔見たい…

いま絶対、今まで見たことない顔してる


目の前がやっと明るくなったと思ったら

先生に抱きしめられて

また暗くなった


そして襲ってくる

柔らかな香り


先生が使ってる洗剤と家の木と…先生自身の匂い


焦ってる先生が、加減が分かんなくなったみたいに強いから

先生と両思いになれたんだって やっと実感できた


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