悪魔のいる教室
「あのー……もういねぇッスよ? お友達」


ヤスくんのまさかの発言に、私は「え!?」と首を捻りかねない勢いで後ろに振り向き──……唖然とした。


涼子達がいた場所は今じゃ、何も知らない生徒達が通りすぎてるだけ。

彼女らの姿はどこにも見当たらない。


ヤスくんの勘違いであってほしかった……。

なんかもう、驚きとか怒りとか通り越して、悲しいんですけど……。


しかも悪魔達に『友達に置いてかれた哀れな女』ってレッテルを貼られちまったんじゃねぇかと思うと、すんごい恥ずかしい。


そんなわけで悪魔達の方に向き直れず硬直したままの私に、


「走れ、おら」


そう後押しする悪魔の言葉は、すんごいありがたかった。

気まずい沈黙を破ってくれた上に私が動き出すキッカケをくれた悪魔に、めちゃくちゃ感謝した。

いい奴じゃん、ってちょっぴり見直した。


──なのに、走りだそうとした瞬間。

腕を掴まれた感覚と強い引力、それにより私の体は大きく後ろに傾いた。


「うおっ」と、捕獲されてビックリしたゴリラのような声を吐いた瞬間、顔全体にザラザラした布の感触がぶつかり。
同時に、右肩に感じる重み。
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